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出生届

日本では、赤ちゃんが生まれてから14日以内に出生届を最寄りの市区町村長に提出することが義務づけられています。
この提出は父親が行うのが一般的です(代理の者が行うこともできます)。

出生届けの右半分は「出生証明書」になっています。
これは出生した子が間違いなく届け出の両親から生まれたことを証明するためのものです。
医師や助産師が立ち会った場合には、彼らが料金をとって書いてくれますが、
「自力出産」では自分たちで書くことになります。

「戸籍法」によると「出生証明書」は医師、助産師、その他のいずれかが書くことになっています。
「出生証明書」にも1医師、2助産師、3その他の欄があります。

父親が「出生証明書」を書けば「その他」に該当するはずですが、
実際には父親が書いた「出生証明書」はそのまま認めてくれないことが多いようです。



わたしたちはお産の前に区役所に「出生届」の用紙をもらいにいき、事情を話して相談しました。
その時の「戸籍課」の対応は「不可能!」という一言でした。
医師や助産師の立ち会いなしでお産をして「出生届」を出すのは不可能という意味でした。

そこでわたしたちは「戸籍法」を示し、不可能ではないことを説明しました。
すると彼らはしばらく騒いで電話をしたりして、
「提出してもその場で受理することはできない。法務局に伺いを立てなければならない。
法務局の調査があって、認められれば受理することになる。
あなたたちは『出生届』に資料を添付しなければならないので、詳しくは法務局に問い合わせるように。」
と言いました。

法務局に問い合わせると、「生まれた子の存在を証明する資料」を提出するようにと言われました。

詳しい説明を求めると、決まった形式があるわけではないが、
出産の経緯を説明した文章(現認書という)
妊婦の写真(母親が本当に妊娠していたことの証明のため)
生まれたばかりの赤ちゃんと母親がいっしょにいる写真
へその緒などの写真
母子手帳
医師の診断書(検診時)
などを提出するのが一般的だと言われました。



自分の子どもが日本国民として認められるかどうかがかかっているので、わたしは一生懸命記録を取りました。
それがこのホームページを作るきっかけとなりました。

誕生から13日後に名前を決めて、区役所の戸籍係に「出生届」と上記の資料を全て揃えて出しました。
そして、「ここでは受理できるかどうか判断できない。法務局の審査を待つように。」と言われました。
このとき対応した係の人が何度も
「いつ受理されるか分からないよ。大丈夫かな?」という意味合いの嫌味をチクチクと繰り返しました。

わたしは、戸籍の専門家であり、市民を助けるべき立場にいる人がこんなことを言うのか、と腹が立ち、
戸籍係の係長を呼んで抗議しました。

「こちらはそちらが準備しろと言ったものを全て揃えて来ているのに、あなた方は自分で判断できない。
地方自治体の中には自分たちの判断で即日受理をしているところもある。
(これは本当です。和歌山県に例があります。)
あなたたちはその職務の基本であるはずの「戸籍法」も理解していない。
そして、わたしの子が無責任にいつになったら戸籍をもらえるのか分からないと脅す。
戸籍がないわたしの子は健康保険もないし、基本的な人権すら認められていない。
『出生届』が受理されるまでになにかあったらどうしろというのか?
あまりにも無責任ではないか?」

すると、係長は謝り、急に区役所全体の扱いがかわり、保健課の課長も出て来て
30分くらいでわたしの子どもの名前の「国民健康保険」と一年間医療費が無料になるカードを発行してくれました。
それから、育児の補助金や一時金などもすべて手続きをしてくれました。

ありがたいことだけど、最初から気持ちよくできることをしてくれないのはなぜだろう、と思いました。
そして、まだ生まれたことも、存在も認められていない人間にこうしたものを給付することができる、
いまだに認めないと言いつつも、その名前で保険証を作れるということが不思議でした。



すでに生まれ、生きている人間を、その存在をすぐには認められない、証明しなさい、と平然と話す人たちは異様でした。
「証明も何も、うちで寝てますよ、見に来ますか?」と言ってもわたしが何を意味しているかは伝わりませんでした。
わたしたちは自分たちで自分たちの子どもを産んで、義務だというから届けているのに、違反者のような扱いでした。
わたしたちの子どもに至っては、認めようかな?どうしようかな?というのです。
失礼な話です。
それが大きな区役所のたくさん並んだ机の奥にいる大勢の人によってなされているのです。
だれひとり、「おめでとう。」とは言いません。
「仲間が増えた。よかったね。」と単純に喜べずに「問題だ、問題だ。」と騒ぐ精神には何かが欠けています。
目の前にあるものを見ない人が多いのです。
それはわたしたちが妊娠から感じ続けたこの国の問題と同じものだと思います。



その後地方法務局から電話での聞き取りがあり、誕生から25日後に調査員がわたしたちの家に赤ちゃんを見に来ました。
わたしは訪問の前から文書でいくつかの質問をしていました。

調査の目的については、他人の子を自分の子と偽って届け出るのを防ぐためとの答えをもらいましたが、
全国でどれだけの人が、法務局の審査を受けて出生届を受理されるのか、
そのうち計画的に自分たちだけで資格を持った人の立ち会いが無かった人はどのくらいいるのか、
という質問には、
「全国の統計は取っていない。」とのことでした。

(「計画的に」というのは、病院への移動が間に合わずに資格を持った人の立ち会い無しでお産をする人もいるからです。)



自宅での調査から一週間ほどして区役所から連絡があり、わたしたちの赤ちゃんの出生届は受理されました。