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自然のメカニズム


出産のクライマックスを振り返って美和は言いました・・・

「赤ちゃんが降りてきて頭の形が感じられるようになったとき、その大きさにビックリしたわ。
そのとき初めて赤ちゃんの頭の形をはっきりと感じたの。
思っていたよりずっと大きかったから出せるかどうか分からなくて、少し止まって様子を見たいと思った。
でも、そのとき、からだの奥か、外か、自分じゃないところから、強い力がやってきて私の体を動かした。
もうどうにもならなかった。私が産もうとしてからだを動かしたり、いきんだりしているのではなかった。
痛みが気にならないほどの大きな力が奥の方からぎゅーっとやってきて、もうその力しか感じなかったわ。」




 自然のメカニズムが発動するとき、人間は理性を超えて根源的な生命の力とつながり、導かれるのだと思います。 

わたしたちは自然から離れ、ときには対立して暮らしていることが多いので、
自然とのつながりを感じ、信じることが難しくなっています。

しかし、自然はいつもわたしたちの中にあり、わたしたちは自然の一部なのです。

わたしたちが日々行っている呼吸、食飲、消化吸収、睡眠、セックス、歩くこと、考えること・・・
すべての活動は、自然のメカニズムによって可能なのです。
あらゆる生物は謎と驚異に満ちたメカニズムによって生かされています。

受精によって赤ちゃんが子宮に宿ったときから、
いや、お母さんが生まれたときから(卵細胞は女性が生まれたときからその中にいるのです)
お産を導く自然のメカニズムはずっと静かに作動し続けてきたのです。

わたしたちは、はじめから自力で産む力を与えられているのです。



すでにわたしたちの中にある自然のメカニズムに導かれるためには「待つ」ことが大切です。

「待つ」とは、「何もしない」でいることです。

多くの出産において、人間は人間が考える「正常な出産」を維持しようとしてしまいます。
そして、じゅうぶんに時間をかけることができません。みな忙しく、次の予定があるからです。
急いで「正常な出産」を進めようとすることが、ときには自然のメカニズムを妨げてしまうのです。

赤ちゃんが子宮を出てくるとき、そこでは驚くべきことが起こっています。
わずかな間に肺による呼吸が始まり、全身への血液循環が始まります。
お母さんの体に別れを告げ、空気と光に触れ、神経系がはたらき、
赤ちゃんが自ら動き始めるのです。

いくつものメカニズムが連動し合って、奇跡のように命が動き始めます。
それは、人間の理解を越えたことだと思います。

この大切なときに、いじくられたり薬を投与されたりすると、そのメカニズムの働きが妨げられてしまうのです。
お産で生じる問題の多くは人為的に引き起こされている可能性があります。

自然のメカニズムに、余計な手出しをしてはならないのです。
自然の前では、人間は無知で野蛮な存在に過ぎません。

赤ちゃんのために快適で安全な空間を維持し、その小さな体が行う大仕事を見守ることが
わたしたちの誕生における第一の役目なのです。




どうして人は、何もしないで待つことができないのでしょう?



第一に自然と自分を信じることができず、不安や恐怖にとらわれているからです。

いまや人間は自然に委ねることができず、すべてをコントロールしようとしています。
そしていつもうまくいかなかったらどうしよう、と心配し、やみくもに走り回ってしまうのです。
多くの人は走り回る人や機械や設備を見て恐怖を忘れるのです。
まずは落ち着き、自分を感じ、自然に感謝し、祈り、自分に起こる変化を観察するという当たり前のことが大切だと思います。


第二に時間がじゅうぶんにないからです。

お母さんもお父さんも病院も助産師も、全ての人には仕事や予定があり、生まれてくる赤ちゃんをその都合にはめ込もうとしています。
誕生のときくらいは「早くしろ。もう時間が無い。」などと恐ろしいことを言わずに、穏やかに待つことはできないのでしょうか。
命をかけた誕生が優先され、じゅうぶんな休暇や助けが社会から与えられるようになってほしいと思います。


待つことができない第三の理由は、お産がビジネスとして扱われているからです。

報酬をもらったら、何もしないで見ていることは難しいのです。
責任感の強い人ほど報酬に見合ったことをしようとするでしょう。

仕事として引き受けるには、保証と責任の回避が必要になります。
何かあったとき「わたしたちは手を尽くしました。」と言えるように予防的な処置を積み上げていくのです。

ビジネスとして維持していくためには、効率よく数をこなし利益を出す必要があります。
ひとつのお産をなるべく短く済ませ、施設や人に少しでも多くの件数をこなさせようとしてしまいます。

人間は多くの知識をたくわえ、複雑なシステムを作りましたが、残念ながらお産においてはそれがマイナスに働いていることが少なくないです。
職業的な介助を受けないことによって、わたしたちは自由になり、自分たちの判断で行動することが可能になるのです。



自然を信じ、不安や恐怖を忘れ、時間をじゅうぶんにとり、お産をビジネスにしなければ、安らかに静かに待つことができるでしょう。
待っていれば「自然のメカニズム」がスムーズにはたらきはじめほとんどのお産はうまくいくとわたしたちは信じています。

それには、楽観的であることが大切になるでしょう。
「どうにかなるよ。」と笑う気楽さは「母の強さ」とつながっているように思えます。

楽観に到るには人それぞれの道があります。
たくさんの本を読むこと、人に会うこと、病院を訪ねること、考えること・・・
生まれながらに楽観をもっている人もいるかもしれません。

わたしたちの生きる時代には悲観的なムードが漂いがちです。
新しい命の誕生というこれ以上ない幸福な出来事くらいは明るく迎えたいと願わずにはいられません。

「自力出産」のはじまりは、自然を信じることにあります。
自然を信じるとは、つまりは自分自身と赤ちゃんを信じることです。

自然と自分と赤ちゃんを信じてのんびりと待てば「自然のメカニズム」があなたを導くだろうと思います。